働きやすい環境を整える医療機関が増えているものの、離職率は依然として高い

雇用ニーズを把握してミスマッチを防ぐ

大阪府内で2番目に人口が多い堺市には、大阪労災病院(北区)、阪南病院(中区)、近畿大学医学部堺病院(南区)、市立堺病院(堺区)など131の医療機関が存在しています。

大阪府で働いている看護師の総数は東京都に次いで2位となっていますが、人口10万人あたりでは973人と全国平均の1030人を下回り、下の表(日本看護協会のデータを元に作製)にあるように離職率は全国平均よりもかなり高くなっています。

病床規模別に見ると、300床以上の医療機関の方が300床未満の医療機関と比較して若干低い傾向がありますが、いずれにしても医療の高度化や平均在院日数の短縮化により、看護業務の密度が増してきているなか、多くの看護師が厳しい勤務環境に置かれていることがうかがえます。

堺市と全国の比較図

多くの医療機関が看護師の確保と離職防止に向けた取り組み(短時間正職員制度、ワークシェアリング、育児支援、勤務シフトの改善、夜勤回数の軽減・免除など)を行っており、大阪府全体の看護師数は増加傾向にありますが、不足分を補うには至っておらず、過去5年間で毎年1,000人以上の看護師が不足しています。

したがって、他県に比べると求人倍率は高い傾向にあります。病床数の大きい病院を中心に、病棟勤務(夜勤を含む)のできる看護師の募集が多く見られますので、この分野で働きたいとお考えの方は現在よりも高待遇での転職ができる可能性が高くなりますが、数年で「燃え尽きて」しまわないためにも、ワークライフバランスを実現できる医療機関を見極めることが大切です。

そのほか、堺市は年間出生数に対してNICU(新生児特定集中治療室)の整備が十分でなく、地域周産期母子医療センターのベルランド総合病院で9床のみが稼動していること、さらには三次救急医療機関が存在しないことから、小児・周産期、救命救急の分野における求人はほとんどない状態となっています。

キャリアプラン、ライフスタイル(育児との両立、復職)に合わせた職場選び

若い世代を中心に民間企業が人気です

看護師の皆さんが新しい職場を探そうとする場合、その理由は新人・中堅・ベテランによって異なりますが、将来の「キャリアプラン」重視型と、現在の「ライフスタイル」重視型の2つタイプに大別されます。

「キャリアプラン」を優先したい方の場合、例えば「がん看護の分野におけるエキスパートを目指しているので、現在の職場よりも症例が多く、勉強会も豊富な大学病院で働きたい(スペシャリスト志向)」、あるいは「幅広い領域の疾患に対する看護を経験したいので、病棟業務が細分化されていない中規模の民間病院で働きたい(ジェネラリスト志向)」といった、5年~10年先にあるご自身の「理想の看護師像」見据えたうえで、転職を行うというタイプです。

一方、「働きながら大学に進学したい」、「子供が小さいのでフルタイム勤務は難しい」、「プライベートも充実させたい」など、「ライフスタイル」を優先する(優先せざるを得ない)場合、日勤のみで定時に業務終了&土日は休みとなる「外来診療クリニック」、「健診センター」、週2回程度、夜勤業務だけを担当し、他の日は自由に使える「夜勤専従」、平日の昼間勤務で自宅周辺が訪問先となることが多い「訪問看護ステーション」などが有力な選択肢となります。

また「妊娠・出産を機に常勤→非常勤→休職」となり、数年間のブランクがあるものの、「子供が大きくなったので、もう一度看護師として働きたい!」と復職をご希望のママさん看護師も非常に多くいらっしゃいます。全国的な看護師不足を補うため、各自治体・医療機関では、資格を持ちながらも現在は働いていない「潜在看護師」の復職を支援するためのセミナー等を開催していますので、ブランクが不安な方でも再チャレンジできる環境が整ってきています。

その他では、看護師としての専門性やコミュニケーション能力が求められるフィールドが年々拡大されているのを受け、治験関連企業における「治験コーディネーター(CRC)」や「臨床開発モニター(CRA)」、学会や病院で自社の医薬品・医療機器の説明・症例紹介、営業補助などを行う「クリニカルスペシャリスト」、国内外の団体旅行やイベントに同行し、健康管理を行う「ツアーナース」など、医療機関ではなく民間企業にキャリアチェンジする方も増えてきています。

本サイトでは堺市(大阪府)における看護師の求人動向、転職・復職先の探し方、求人情報を見る際のチェックポイント、近年注目されているお仕事などを解説していきます。皆様の一助になれば幸いです。