高齢者や子供、障害者を対象とする施設で需要が高まる看護師の役割

幅広いケアが求められます

急速に進む社会の高齢化に対応するため従来の制度の見直しが行われていますが、そうしたなか、在宅介護を前提とした介護保険制度の施行などにより、医療、保健、福祉の連携が重要となってきました。

これらの専門職が協力して利用者のケアにあたる施設は以前からありましたが、介護老人保健施設や訪問看護、訪問介護などのサービスを提供する施設が増えたことで、病院以外のこうした施設における看護師のニーズも高まっており、現在、約20,000人の看護師が介護老人保健施設で、12,000人の看護師が社会福祉施設で働いています。

「介護老人保健施設」は、病状が安定しているため治療は必要としないものの、リハビリや看護・介護の必要性がある高齢者が入所する施設です。医師、看護師、介護士らは連携して、利用者が家庭で日常生活を送ることができるように自立支援を行います。

看護師が働いている高齢者を対象とする施設には、介護を常時必要としている人が入所する「特別養護老人ホーム」、自宅から定期的に通いながらリハビリを受ける「デイサービスセンター」などがあります。

障害がある方のための施設は、法律に基づいて、入所・通所施設である障害者支援施設、利用施設である地域活動支援センター、福祉ホーム等に分けられます。障害者支援施設では、所定の看護職員を配置することが定められています。リハビリや就労支援を行う地域活動支援センターは、看護職員の配置基準はないものの、看護師を必要としている施設が多くあります。

障害を持つ子供のための施設は児童福祉施設に含まれており、障害児入所施設と、通所施設の自動発達支援センターに分けられています。看護師は、福祉の専門家と連携し、子供達の日常生活の訓練、支援などを行います。子供の発育に不安を持つ家族の相談にのることも大切な仕事です。そのほか、乳児院や保育所で健康維持に携わる看護師もいます。

これらの施設における看護の特徴は、病院と違い利用者の生活に密着して行うという点にあります。医療的なケアだけでなく、心身の機能喪失があってもその人らしく生きていけるように、サポートしていく幅広いケアが求められます。また、病院と異なり、1施設に看護師が1~2人しかいないところが多いため、的確な判断力が求められます。そのため老人看護や小児看護などの専門知識を修得し、病院で豊富な経験を積んだ看護師がこれらの施設で働くことが多いようです。