「保健」の分野(企業の医務室、学校の保健室)における看護師の仕事

オフタイムの充実は仕事に好影響

看護師のおよそ87%は病院およびクリニックに勤務しているため、「看護=病気や怪我を対象にするもの」というイメージが強くありますが、実際は健康な人も含めるあらゆる健康状態が看護の対象となります。

看護師には、「医療」や「福祉」の分野だけでなく、日常的な健康管理にかかわったり、病気を予防するための情報やサービスを提供する「保健」の分野でも期待されており、看護師のほかに複数の資格を取得して、企業や学校で活躍している方が大勢います。企業や学校でのお仕事の代表は「医務室」と「保健室」です。

まず企業の医務室のお仕事をみてみましょう。企業には働く人々の健康を守るために、安全衛生が義務付けられており、その一環として企業内に医務室や健康管理室を設けているところがあります。医務室や健康管理室で働く看護師は「産業看護師」や「企業内看護師」と呼ばれており(保健師が従事する場合はそれぞれ「産業保健師」、「企業内保健師」)、その企業の正社員として採用されることもあれば、健康保険組合から派遣されることもあります。

看護師に期待される主な業務は医師とともに社員の診療や健康診断を実施したり、健康相談を行います。社員の健康意識が低いと健診の受診率は低くなるため、健康管理が成り立ちません。したがって、まず社内での啓蒙活動で健康意識を高め、健診の受診率を高めることが求められます。

健診終了後は一人一人の検査数値を見て、日常生活における注意点をアドバイスしたり、再検査の必要がある場合は必ず受診するように促します。自覚症状がない場合、どうしても再検査を先延ばししてしまうので、そういったケースでは産業間越しの説得が非常に重要となります。長引く不況、職場での人間関係などによるストレスでうつ病になる社員も少なくないため、精神的なケアも求められます。

産業看護師は企業内の仕事なので、病棟勤務のように夜勤もないため、看護師にとって人気の高い転職先といえますが、その分求人倍率も高くなっています。保健師の資格を持っている看護師は採用のチャンスが広がるでしょう。

次は養護教諭として学校保健室に勤務する看護師さんのお仕事を見てみましょう。養護教諭とは、保健室の先生のことで、学校で生徒の健康管理や救急処置、健康相談を行います。看護師の資格保有者は、大学や養成機関で所定の科目を修得することで養護教諭になる資格を得ることができます。

養護教諭の仕事の内容は、定期的な健診の実施とその評価、風邪や虫歯予防の保健指導、怪我をした際の救急処置、また近年はイジメや不登校などの問題を抱える生徒が多いため、保健室で心のケアを行う「カウンセラー」としての役割も求められます。