医療の高度専門化で看護師が活躍できる分野が拡大しています

夜勤のない民間企業も人気

医療がより高度、複雑になる近年、特定分野の知識とスキルに秀でた専門化のニーズは、看護だけでなく医療の様々な現場で高まっています。そのなかでも看護師に向いているものを簡単に紹介します。

最初に挙げるのは医療・看護事故につながりやすい行動や環境を分析し、防止策を具体化し病院内に徹底する「リスクマネージャー(安全管理責任者)」です。万一、事故が起こってしまった場合に備えて、賠償責任保険や法律などの知識も必要となります。

病院の事務担当者がリスクマネージャーを務めている病院もありますが、患者さんと接する時間が長く、医療事故の当事者になりやすい看護師にも期待されている役割です。各病院では院内研修を行ったり、日本看護協会が「医療安全管理者要請研修」を実施するなどして人材の養成に努めています。

次は院内で発生する病原菌による感染を防ぐ役割を担う「感染管理者」です。感染管理者は、院内の感染の現状を把握し、原因を突き止めたうえで具体的な対策を練り、それを患者さん、医師、看護師など全ての関係者に普及させます。

患者さんのケアに携わり、医療行為の知識も豊富な看護師こそ感染管理者に最適と言われており、既に欧米の病院では看護師が感染対策のプロとして取り組みを進めています。

日本の病院でも近年、大学病院などでMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)による院内感染で多くの死亡者が出るなど、対策が急がれており、日本看護協会では「感染症看護」の専門看護師や、「感染管理」の認定看護師の育成と認定を大k成っています。

次は日本で活躍している看護師は少ないものの、臓器移植で重要な役割を果たしている「移植コーディネーター」です。脳死と判断される患者さんが出た場合に、臓器移植の意思表示あるいは家族から臓器提供や説明を求める申し込みがあった場合に、十分な説明を行い、承諾を得られると、脳死判定の検査の手配、レシピエント(臓器提供受ける患者さん)の選択、臓器の搬送を実行するなどが主な仕事です。

移植コーディネーターになれるのは、医師や看護師などの医療有資格者または4年制大学の卒業者です。日本臓器移植ネットワークで研修セミナーを行い、公募を行っていますが、採用人数は非常に少ないです。

最後は治験業務を委託する民間企業で活躍する「治験コーディネーター(CRC)」です。新薬を開発するときに行う臨床試験を治験と言いますが、厚生労働省は治験を円滑に推進するため、治験実施医療機関に対して「被験者への文書による説明と同意の取得(インフォームド・コンセント)」などを義務付けています。

治験コーディネーターは、医療機関における治験をサポートするスタッフとして、医師と被験者の間に入って、治験を円滑に行うための調整役を担います。看護師や薬剤師などの有資格者が活躍しており、日本看護協会や日本薬剤師会などが養成研修を行っています。